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3-04 情報セキュリティ

現代社会では、スマートフォンやパソコンを使って、SNS、オンラインショッピング、動画視聴、ゲームなど、様々なサービスを利用しています。しかし、便利なインターネットには多くの危険も潜んでいます。

身近な脅威の例:

  • フィッシング詐欺でクレジットカード情報を盗まれる
  • ウイルス感染で個人情報が流出する
  • SNSでの炎上やいじめ
  • ワンクリック詐欺で高額請求される

情報セキュリティとは、これらの脅威から自分や大切な人を守るための知識と技術です。高校生の皆さんが安全にインターネットを利用し、将来社会人になった時にも適切に情報を守れるよう、実践的な知識を身につけていきましょう。

1. 脅威に対する安全対策

情報セキュリティとは、情報の機密性完全性可用性を確保することです。

  • 機密性(Confidentiality):許可された人だけが情報にアクセスできる状態
  • 完全性(Integrity):情報が破壊・改ざん・消去されていない状態
  • 可用性(Availability):必要な時に中断することなく情報にアクセスできる状態

この3つの頭文字をとって「セキュリティのCIA」と呼ばれる基本原則です。

1-1 ユーザIDとパスワードの管理

なぜ重要? コンピュータやインターネットサービスで、あなたが正規の利用者であることを証明するため。

安全なパスワードの作り方

  • 英字・数字・記号を組み合わせる(8文字以上推奨)
  • 生年月日や電話番号など推測されやすいものは避ける
  • サービスごとに異なるパスワードを使う
  • 定期的に変更する

注意すべきこと

  • ソーシャルエンジニアリング:パスワード入力を盗み見る、会話を盗み聞きするなど、人為的に機密情報を入手する手法に注意

1-2 マルウェア対策

マルウェア(悪意のあるソフトウェア)の分類

📂 感染・拡散方法による分類

種類特徴具体例
ウイルス他のファイルに寄生して増殖Word文書に感染し、開くと他のファイルにも感染
ワーム単独で活動し、ネットワーク経由で自動増殖メールで自動送信され、受信者のPCに感染
トロイの木馬便利なソフトを装って侵入、増殖しない「無料ゲーム」が実は情報を盗むプログラム

🎯 目的・被害内容による分類

  • スパイウェア:個人情報を勝手に収集・送信
  • ランサムウェア:ファイルを暗号化して身代金を要求
  • アドウェア:大量の広告を表示して邪魔をする

※ 同じマルウェアが複数の特徴を持つことがあります(例:トロイの木馬型のランサムウェア)

対策方法

🛡️ OS標準のセキュリティ機能を活用

  • Windows:Windows Defenderが標準搭載
  • Mac:XProtect、Gatekeeper機能が標準搭載
  • スマートフォン:iOS、Androidにセキュリティ機能内蔵

追加のウイルス対策ソフトが必要な場合

  • 政府機関や企業などの組織利用
  • より高度な機能が必要(ペアレンタルコントロールなど)
  • 古いOSを使用している場合

✅ 共通して重要な対策

  1. OSやアプリのセキュリティ更新を速やかに適用
  2. メール添付ファイルやダウンロードファイルに注意
  3. 怪しいWebサイトにアクセスしない
  4. 公式ストア以外からのアプリダウンロードを避ける

💡 現在のトレンド 多くの個人ユーザーにとって、OS標準のセキュリティ機能 + 適切な利用習慣で十分な保護が可能になっています。

感染時の対応

  1. ネットワークから切断
  2. ウイルス対策ソフトで検査・駆除
  3. 被害状況を報告

2. インターネット利用時の安全対策

2-1 フィルタリング

現在の実施状況

  • 携帯電話:18歳未満は法律により設定が義務化(2018年〜)、ただし実際の利用率は約38%
  • 学校:GIGA端末の約98%で導入済み(2024年調査)
  • 企業:業種や規模により大きく異なる

フィルタリングとは? 有害なWebサイトへのアクセスを制限する技術

フィルタリングの方式

  • ブラックリスト方式:危険なサイトを指定してブロック
  • ホワイトリスト方式:安全なサイトのみ許可
  • カテゴリフィルタリング:サイトをカテゴリ別に分類して制御

実際には、これらの方式を組み合わせて使用することが一般的です。

現実的な課題

  • 保護者の約3割が「不便」を理由に解除
  • 必要なサイトもブロックされることがある
  • 設定のカスタマイズ方法を知らない利用者が多い

高校生として知っておくべきこと

  • 自分のスマホにフィルタリングが設定されているか確認
  • 家庭でのルール作りの重要性
  • 将来、自分が保護者になったときの判断基準

2-2 SSL/TLS(HTTPS)

HTTPとHTTPSの違い

  • HTTP:通信内容が暗号化されていない(盗聴される可能性)
  • HTTPS:通信内容が暗号化されている(安全)

確認方法

  • URLが「https://」で始まる
  • ブラウザに🔒マークが表示される

なぜ重要? 個人情報やクレジットカード情報を入力する際は、必ずHTTPS対応サイトかチェック!


3. サイバー犯罪から身を守る

よくあるサイバー犯罪

犯罪の種類手口対策
フィッシング詐欺偽サイトでID・パスワード・カード情報を盗むURLを確認、公式サイトから直接アクセス
ワンクリック詐欺クリックしただけで高額請求契約していなければ支払い義務なし
なりすまし他人のアカウントを不正使用パスワードの適切な管理

被害者にも加害者にもならないために

  • 最新の犯罪手口を知る
  • 怪しいメールやサイトには近づかない
  • 個人情報の取り扱いに注意
  • 困ったときは大人や専門機関に相談

4. 組織的なセキュリティ対策

情報セキュリティポリシー

政府機関、企業や学校が情報を守るために定める方針と規則。基本方針→対策基準→実施手順の3層構造。

アクセス制御

「誰が」「どの情報に」「どんな権限で」アクセスできるかを管理すること。

その他の重要な対策

  • 定期的な更新:OSやソフトウェアのセキュリティ更新を迅速に適用
  • バックアップ:データ消失に備えた定期的なデータ保存
  • 履歴管理(ログ管理):「誰が」「いつ」「何をしたか」の記録保持
  • 従業員教育:セキュリティ意識の向上と最新脅威の共有
  • 事故対応計画:問題発生時の迅速な対応手順

5. 暗号化技術

なぜ暗号化が必要?

情報を送信する際、第三者に内容を知られないようにするため。

基本的な仕組み

  • 平文:暗号化前の文章
  • 暗号文:暗号化された文章
  • :暗号化・復号に使う規則

現在のインターネットでは、複雑な暗号化技術により私たちの情報が守られています。


まとめ:情報セキュリティの基本姿勢

  1. 自分の情報は自分で守る
  2. 怪しいものには近づかない
  3. 最新の脅威情報を知る
  4. 困ったときは相談する
  5. 技術の進歩に合わせて対策をアップデート

情報セキュリティは「完璧」はありません。常に新しい脅威が生まれるため、継続的な注意と学習が重要です。


練習問題

基本問題

問1 情報セキュリティの3要素(CIA)について、それぞれの意味を説明しなさい。

問2 次のパスワードのうち、最も安全なものを選び、理由を説明しなさい。 ① password123 ② MyBirthday0315 ③ Kw9#mX2$pL8 ④ tanaka2025

問3 次のURLのうち、個人情報を入力しても安全なのはどれか。理由とともに答えなさい。 ① http://www.example-shop.com/login ② https://secure-bank.co.jp/login ③ http://sns-login.net/password

問4 マルウェアの種類を3つ挙げ、それぞれの特徴を簡潔に説明しなさい。

解答

問1

  • 機密性(Confidentiality):許可された人だけが情報にアクセスできる状態
  • 完全性(Integrity):情報が破壊・改ざん・消去されていない状態
  • 可用性(Availability):必要な時に中断することなく情報にアクセスできる状態

問2 ③ Kw9#mX2$pL8 理由:英字・数字・記号を組み合わせており、推測困難な文字列のため。 ①は一般的な単語、②は個人情報(誕生日)、④は名前が含まれており危険。

問3 ② https://secure-bank.co.jp/login 理由:HTTPSで暗号化されており、個人情報が保護される。①③はHTTPのため通信内容が暗号化されず危険。

応用問題

問5 あなたが通販サイトでクレジットカード情報を入力する際、安全性を確認するためにチェックすべき点を3つ挙げなさい。

問6 次のメールを受信しました。このメールの危険性と対処法を説明しなさい。

件名:【緊急】アカウント確認のお願い
差出人:security@amazon-update.net
お客様のAmazonアカウントに不正アクセスの疑いがあります。
24時間以内に下記URLからログインして確認してください。
http://amazon-security-check.com/verify
確認されない場合、アカウントを停止いたします。
解答

問5

技術的な安全確認

  1. URLがHTTPS(https://)で始まっていることを確認する
  2. ブラウザに🔒マークが表示されていることを確認する

事業者の信頼性確認

  • 運営会社の情報(会社名、住所、電話番号)が明記されているかチェックする

その他の重要な確認点(追加例)

  • レビューや評判の確認
  • 不自然に安い価格設定でないかチェック
  • 日本語の表記が不自然でないか確認

問6

危険性:フィッシング詐欺の可能性が高い。以下の点が怪しい:

  • 差出人のドメインが「amazon-update.net」で公式の「amazon.co.jp」ではない
  • URLが「amazon-security-check.com」で公式サイトではない
  • 「24時間以内に」など緊急性を煽る表現を使用
  • HTTPで始まるURLを使用(暗号化されていない)

対処法:リンクをクリックせず、公式サイトから直接ログインして確認する。疑わしい場合は企業に直接問い合わせる。

発展学習(情報系進学予定者向け)

より詳しい技術内容(公開鍵暗号、デジタル署名、ファイアウォール、VLANなど)については、専門的な学習を通じて理解を深めてください。

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