MENU

1-06 情報技術と課題解決(第2回)

前回の復習

ペア活動:隣の人と前回学んだ3つの技術について30秒ずつ説明し合おう

  • AI(人工知能)
  • IoT(モノのインターネット)
  • VR/AR(仮想現実・拡張現実)

社会課題への気づき

問いかけ:「皆さんが普段感じている『困ったこと』や『もっと良くなればいいのに』と思うことはありますか?」

例示

  • おじいちゃん・おばあちゃんの健康が心配
  • 朝の電車が混雑しすぎている
  • 食べ残しがもったいない
  • 勉強が一人だと続かない

今日の問い:「これらの課題を、前回学んだ情報技術で解決できるでしょうか?」


1. Society 5.0と課題解決の仕組み

🌐 Society 5.0とは

サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会

社会の変化

  • Society 1.0:狩猟社会
  • Society 2.0:農耕社会
  • Society 3.0:工業社会
  • Society 4.0:情報社会(今)
  • Society 5.0:超スマート社会(目指す未来)

課題解決の新しい仕組み

【現実世界】 → 【サイバー空間】 → 【現実世界】
問題・課題 データ収集・AI解析 解決策の実行


例:高齢者の健康不安                           
センサーで体調データ収集 → AI解析で異常検知 → 自動で医療機関に連絡

従来との違い

従来(Society 4.0)新しい仕組み(Society 5.0)
人がデータを見て判断AIが自動で分析・判断
事後対応中心予測・予防中心
個別システム連携システム
限られた情報ビッグデータ活用

2. (事例研究) 情報技術で課題を解決する

事例1:高齢者見守りシステム

背景:日本の超高齢社会の課題

  • 65歳以上人口:約30%
  • 一人暮らし高齢者の増加
  • 家族の心配、介護人材不足

技術による解決策

  1. データ収集:冷蔵庫・ドアのセンサー、ウェアラブル端末
  2. データ送信:インターネット経由でクラウドに送信
  3. AI解析:過去データと比較、異常パターンを検出
  4. 自動対応:緊急時は家族・医療機関に通知

期待される効果

  • 高齢者:安心した在宅生活
  • 家族:離れて住む親の状況把握
  • 社会:医療費削減、人材の効率活用

事例2:スマート農業

農業の課題

  • 農業従事者の高齢化・減少
  • 気候変動による不安定な収穫
  • 熟練者の技術継承問題

技術活用

  • IoTセンサー:土壌・気象データの自動収集
  • AI画像解析:ドローンで病害虫を早期発見
  • 自動化:無人トラクター、自動散水

事例3:スマートシティ

都市の課題

  • 交通渋滞、環境汚染
  • エネルギーの無駄
  • 災害対策

技術による解決

  • 交通最適化:AIによる信号制御、渋滞予測
  • エネルギー管理:スマートグリッドで電力最適配分
  • 防災:センサーネットワークで災害予測

3. 技術の光と影 – 課題と向き合う

⚠️ 情報技術が生み出す新たな課題

1. プライバシー・監視社会の懸念

考えてみよう:見守りシステムで高齢者の生活が全て記録される。これをどう思いますか?

  • メリット:安全・安心の確保
  • リスク:プライベートな生活の全記録、悪用の可能性

2. 雇用への影響

事例

  • AIが診断 → 医師の仕事は?
  • 自動運転 → タクシー運転手は?
  • 農業自動化 → 農家の仕事は?

両面からの視点

  • 消失する仕事 vs 新たに生まれる仕事
  • 人間にしかできないことは何か?

3. デジタルデバイド(情報格差)

  • 技術を使える人 vs 使えない人
  • 経済格差の拡大
  • 高齢者の取り残し

4. AI の判断への依存

問いかけ:AIが「この人は危険」と判断したら、それを疑うべき?信じるべき?

  • AIバイアス(偏見)の問題
  • 責任の所在の不明確さ
  • 人間の判断力の低下

5. 環境問題

  • データセンターの大量電力消費
  • AIの学習に必要な膨大な計算
  • 持続可能性への配慮

4. グループワーク「課題解決プロジェクト」

ステップ1:課題の選択

以下から1つ選ぶか、独自の課題を設定:

  • 学校生活:いじめ、授業への集中、部活動の効率化
  • 地域社会:高齢者支援、防災、交通問題
  • 環境問題:ゴミ削減、省エネ、食品ロス
  • 健康:運動不足、ストレス管理、生活習慣

ステップ2:解決策の検討

以下を考える:

  1. どの技術を使うか(AI、IoT、VR/AR等)
  2. 具体的な仕組み(どう動作するか)
  3. 期待される効果
  4. 想定される課題・リスク

ステップ3:発表準備

1分間で発表できるようにまとめる


5. 未来への展望

今日学んだこと

  1. 情報技術は社会課題解決の強力なツール
  2. 便利さの裏には新たな課題も存在
  3. 技術を批判的に評価する力が重要
  4. 私たち一人ひとりが未来社会を創る主体

未来社会で大切なこと

  • 技術リテラシー:技術を理解し、適切に使う能力
  • 批判的思考:メリット・デメリットを冷静に判断
  • 共感力・創造性:人間らしさを大切にする
  • 協働する力:多様な人々と協力して課題解決

🏠 課題

振り返りシート

以下の質問に答えて提出してください:

1. 理解の確認

  • Society 5.0とはどのような社会か、自分の言葉で説明してください
  • 情報技術による課題解決の例を1つ挙げ、その仕組みを説明してください

2. 批判的思考

  • 情報技術の普及で心配になることを1つ挙げ、その理由を説明してください
  • その心配事を解決するためには、どのような配慮や仕組みが必要だと思いますか?

3. 将来への視点

  • 10年後の社会で、どのような能力が重要になると思いますか?
  • そのために、高校生の今、何を学んでおくべきだと思いますか?

探究課題(任意)

以下のテーマから1つ選んで調べてみてください:

  • [  ] 世界各国のスマートシティの取り組み
  • [  ] AIの判断ミスによる実際の事例と対策
  • [  ] デジタルデバイド解消の取り組み
  • [  ] 未来の職業:10年後に注目される仕事

コメント

コメントする