前回の復習
ペア活動:隣の人と前回学んだ3つの技術について30秒ずつ説明し合おう
- AI(人工知能)
- IoT(モノのインターネット)
- VR/AR(仮想現実・拡張現実)
社会課題への気づき
問いかけ:「皆さんが普段感じている『困ったこと』や『もっと良くなればいいのに』と思うことはありますか?」
例示:
- おじいちゃん・おばあちゃんの健康が心配
- 朝の電車が混雑しすぎている
- 食べ残しがもったいない
- 勉強が一人だと続かない
今日の問い:「これらの課題を、前回学んだ情報技術で解決できるでしょうか?」
1. Society 5.0と課題解決の仕組み
🌐 Society 5.0とは
サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会
社会の変化
- Society 1.0:狩猟社会
- Society 2.0:農耕社会
- Society 3.0:工業社会
- Society 4.0:情報社会(今)
- Society 5.0:超スマート社会(目指す未来)

課題解決の新しい仕組み
【現実世界】 → 【サイバー空間】 → 【現実世界】
問題・課題 データ収集・AI解析 解決策の実行
例:高齢者の健康不安
センサーで体調データ収集 → AI解析で異常検知 → 自動で医療機関に連絡
従来との違い
| 従来(Society 4.0) | 新しい仕組み(Society 5.0) |
|---|---|
| 人がデータを見て判断 | AIが自動で分析・判断 |
| 事後対応中心 | 予測・予防中心 |
| 個別システム | 連携システム |
| 限られた情報 | ビッグデータ活用 |

2. (事例研究) 情報技術で課題を解決する
事例1:高齢者見守りシステム
背景:日本の超高齢社会の課題
- 65歳以上人口:約30%
- 一人暮らし高齢者の増加
- 家族の心配、介護人材不足
技術による解決策
- データ収集:冷蔵庫・ドアのセンサー、ウェアラブル端末
- データ送信:インターネット経由でクラウドに送信
- AI解析:過去データと比較、異常パターンを検出
- 自動対応:緊急時は家族・医療機関に通知

期待される効果
- 高齢者:安心した在宅生活
- 家族:離れて住む親の状況把握
- 社会:医療費削減、人材の効率活用
事例2:スマート農業
農業の課題
- 農業従事者の高齢化・減少
- 気候変動による不安定な収穫
- 熟練者の技術継承問題
技術活用
- IoTセンサー:土壌・気象データの自動収集
- AI画像解析:ドローンで病害虫を早期発見
- 自動化:無人トラクター、自動散水
事例3:スマートシティ
都市の課題
- 交通渋滞、環境汚染
- エネルギーの無駄
- 災害対策
技術による解決
- 交通最適化:AIによる信号制御、渋滞予測
- エネルギー管理:スマートグリッドで電力最適配分
- 防災:センサーネットワークで災害予測
3. 技術の光と影 – 課題と向き合う
⚠️ 情報技術が生み出す新たな課題
1. プライバシー・監視社会の懸念
考えてみよう:見守りシステムで高齢者の生活が全て記録される。これをどう思いますか?
- メリット:安全・安心の確保
- リスク:プライベートな生活の全記録、悪用の可能性
2. 雇用への影響
事例:
- AIが診断 → 医師の仕事は?
- 自動運転 → タクシー運転手は?
- 農業自動化 → 農家の仕事は?
両面からの視点:
- 消失する仕事 vs 新たに生まれる仕事
- 人間にしかできないことは何か?
3. デジタルデバイド(情報格差)
- 技術を使える人 vs 使えない人
- 経済格差の拡大
- 高齢者の取り残し
4. AI の判断への依存
問いかけ:AIが「この人は危険」と判断したら、それを疑うべき?信じるべき?
- AIバイアス(偏見)の問題
- 責任の所在の不明確さ
- 人間の判断力の低下
5. 環境問題
- データセンターの大量電力消費
- AIの学習に必要な膨大な計算
- 持続可能性への配慮
4. グループワーク「課題解決プロジェクト」
ステップ1:課題の選択
以下から1つ選ぶか、独自の課題を設定:
- 学校生活:いじめ、授業への集中、部活動の効率化
- 地域社会:高齢者支援、防災、交通問題
- 環境問題:ゴミ削減、省エネ、食品ロス
- 健康:運動不足、ストレス管理、生活習慣
ステップ2:解決策の検討
以下を考える:
- どの技術を使うか(AI、IoT、VR/AR等)
- 具体的な仕組み(どう動作するか)
- 期待される効果
- 想定される課題・リスク
ステップ3:発表準備
1分間で発表できるようにまとめる
5. 未来への展望
今日学んだこと
- 情報技術は社会課題解決の強力なツール
- 便利さの裏には新たな課題も存在
- 技術を批判的に評価する力が重要
- 私たち一人ひとりが未来社会を創る主体
未来社会で大切なこと
- 技術リテラシー:技術を理解し、適切に使う能力
- 批判的思考:メリット・デメリットを冷静に判断
- 共感力・創造性:人間らしさを大切にする
- 協働する力:多様な人々と協力して課題解決
🏠 課題
振り返りシート
以下の質問に答えて提出してください:
1. 理解の確認
- Society 5.0とはどのような社会か、自分の言葉で説明してください
- 情報技術による課題解決の例を1つ挙げ、その仕組みを説明してください
2. 批判的思考
- 情報技術の普及で心配になることを1つ挙げ、その理由を説明してください
- その心配事を解決するためには、どのような配慮や仕組みが必要だと思いますか?
3. 将来への視点
- 10年後の社会で、どのような能力が重要になると思いますか?
- そのために、高校生の今、何を学んでおくべきだと思いますか?
探究課題(任意)
以下のテーマから1つ選んで調べてみてください:
- [ ] 世界各国のスマートシティの取り組み
- [ ] AIの判断ミスによる実際の事例と対策
- [ ] デジタルデバイド解消の取り組み
- [ ] 未来の職業:10年後に注目される仕事

コメント