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3-01 ネットワークの仕組みと発展

学習目標

  • 通信方式の変化と技術革新の意味を理解する
  • パケット交換方式の仕組みと利点を説明できる
  • 身近なネットワーク構成の基本を把握する

1. 導入:私たちの生活とネットワーク

考えてみよう

あなたが今日使ったネットワーク技術をあげてみましょう。

例:

  • スマートフォンでLINE
  • YouTubeで動画視聴
  • Wi-Fiでインターネット
  • オンライン授業への参加

疑問

従来のサービスと比較してインターネットにはどのようなサービスがあり、どのような制約が取り払われたのかを考えてみよう。

グループで話し合ってみよう:

従来のサービス例:

  • 電話
  • 手紙・はがき
  • DVD映画
  • 音楽CD
  • 写真
  • 新聞・雑誌
  • テレビ
  • ファックス
  • 宅配便

話し合いのポイント:

  1. それぞれのサービスにはどんな「制約」があった?
  2. インターネットの似たようなサービスでは、その制約はどうなった?
  3. なぜそんな変化が可能になったと思う?

2. 通信方式の革命的変化

2.1) 従来の通信方式:回線交換方式

電話の例で考えてみよう

AさんがBさんと電話で話している時:

  • 回線はAさんとBさんによって占有される
  • 他の人は割り込むことができない
  • 通話が終了するまで、ずっと回線を使い続ける

![回線交換方式のイメージ]

A君 ────────────────── B君
     (回線を独占中)

C君 ─ × ─ D君  ← 使えない!

回線交換方式の問題点

  • データの送受信をしていない時でも回線を占有
  • 他の人が使えない
  • ネットワーク資源の無駄

2.2) 革新的な解決策:パケット交換方式

小包配送で例えてみよう

大きな荷物を送る時、どうしますか?

従来の方法(回線交換)

  • 大きなトラック1台で一度に運ぶ
  • 荷物が全部準備できるまで出発できない
  • 当初決められた経路・順序で運搬
  • そのトラックが道路を占有(渋滞があれば荷物は届かない)
  • 1台に収まらない他の荷物は待機

新しい方法(パケット交換)

  • 荷物を小さな箱に分ける
  • 準備できた箱から順次出発
  • それぞれに宛先を書いた荷札を付ける
  • 複数の配送ルートを使って運ぶ
  • 道路を他の配送と共有できる
  • 到着地で元の荷物に組み立て直す

パケット交換方式の仕組み

  1. データを分割:大きなデータを小さな「パケット」に分ける
  2. 宛先情報を付加:各パケットに送り先の情報を追加
  3. 複数経路で送信:異なるルートを通って送信
  4. 受信地で再構成:到着したパケットを正しい順序で組み立て
送信側                     受信側
大きなデータ              元のデータ
   ↓                      ↑
[1][2][3] → 複数のルート → [1][2][3]

パケット交換の利点

  • ネットワークの利用効率が飛躍的に向上
  • 複数の通信を同時に処理可能
  • 準備できたデータから順次送信開始
  • リアルタイム通信が可能
  • 故障に強い(別のルートを使える)

3. ネットワークの範囲拡大

3.1 LAN(Local Area Network)

身近な例:学校のネットワーク

  • 限られた範囲(校内)でのコンピュータ接続
  • 高速なデータ通信が可能
  • プリンタやファイルの共有

3.2 WAN(Wide Area Network)

  • LANどうしを広い範囲で接続
  • 都市間、国家間をつなぐネットワーク
  • より広域での情報共有が可能

3.3 インターネット

  • 世界中のLANやWANが接続された巨大ネットワーク
  • 地球規模での情報共有が実現
学校のLAN < 地域のWAN < インターネット → 世界中

4. ネットワークの効率的利用:クライアントサーバシステム

役割分担で効率化

サーバ:サービスを提供するコンピュータ

  • ファイルサーバ:文書や画像を保管
  • プリントサーバ:印刷処理を担当
  • Webサーバ:ホームページを提供

クライアント:サービスを要求するコンピュータ

  • 私たちが使うパソコンやスマートフォン
  • サーバにお願いして、必要な情報やサービスを受け取る
クライアント → 「ファイルください」 → ファイルサーバ
クライアント ← 「はい、どうぞ」   ← ファイルサーバ

なぜ効率的なのか?

  • 専門的な仕事を得意なコンピュータに任せる
  • 複数のクライアントが同じサーバを共有
  • 管理やメンテナンスが集中化される

5. 現代社会への影響

パケット交換がもたらした変革

Before(回線交換時代)

  • 限られた人だけが通信可能
  • 高コストな通信
  • データ全体の準備完了まで送信不可
  • リアルタイム性に制限

After(パケット交換時代)

  • 誰でも世界中と通信可能
  • 低コストでの大容量通信
  • ストリーミング配信が可能
  • 動画通話、ファイル共有、SNSなど多様なサービス

身近な技術への応用

スマートフォン

  • 4G/5Gもパケット交換方式
  • 音声通話もデータ化してパケットで送信

オンライン授業

  • 映像・音声をパケットに分割
  • リアルタイムでの双方向通信

SNS・動画配信

  • 大容量データの効率的配信
  • 世界中への同時配信が可能

6. まとめ

今日学んだこと

  1. 通信方式の進化
    • 回線交換 → パケット交換への技術革新
  2. パケット交換の仕組み
    • データ分割 → 複数経路送信 → 再構成
  3. ネットワークの発展
    • LAN → WAN → インターネットへの拡大
  4. 現代社会への影響
    • 私たちの生活を支える基盤技術

次回予告

第2回では「インターネットの仕組み」について学習します。

  • データはどうやって正確に相手に届くのか?
  • インターネット通信のルール(プロトコル)とは?
  • TCP/IPの役割分担について

確認問題

問題1

パケット交換方式の利点を3つあげなさい。

解答
  1. ネットワークの利用効率が飛躍的に向上
    • 複数の通信を同じ回線で同時に処理できる
    • 回線の無駄な占有がない
  2. 準備できたデータから順次送信開始
    • 全データの準備完了を待つ必要がない
    • リアルタイム通信やストリーミング配信が可能
  3. 故障に強い(耐障害性)
    • 一つのルートが故障しても別のルートを使える
    • ネットワーク全体が止まりにくい

その他の利点(追加で答えても良い)

  • 複数の通信を同時に処理可能
  • 低コストでの大容量通信
  • 柔軟なルート選択

問題2

パケット交換方式のデメリットは何かを考えなさい。

解答

① 通信の遅延(遅れ)が発生しやすい

② パケットの損失(ロス)が起こる可能性

③ 通信品質(QoS)が保証されにくい

④ パケットの再構成が必要

⑤ セキュリティ上の課題

問題3

学校のネットワークで、あなたがプリンタで印刷する時、どのような「サーバ」が働いていると考えられますか?

解答

プリントサーバ

役割:

  • 複数のコンピュータからの印刷要求を受け付ける
  • 印刷順序を管理する(印刷キュー)
  • プリンタの状態を監視する
  • 印刷データの処理を行う

具体的な動作:

  1. 生徒のパソコン(クライアント)が印刷要求を送信
  2. プリントサーバが要求を受け取る
  3. 印刷順序に従って処理
  4. プリンタに印刷指示を送る

利点:

  • 複数の人が同時に印刷要求しても順序よく処理
  • プリンタの管理が集中化される
  • 印刷状況を確認できる

問題4

あなたがYouTubeで動画を見る時、パケット交換方式がどのように活用されているか説明しなさい。

解答

パケット交換の活用:

  1. 動画データの分割
    • 動画ファイルが小さなパケットに分割される
    • 各パケットに宛先(あなたのスマホ)の情報が付加される
  2. 並列配信
    • 複数のパケットが異なるルートを通って送信される
    • 一つのルートが混雑していても他のルートを使える
  3. ストリーミング再生
    • 動画全体のダウンロード完了を待たない
    • 到着したパケットから順次再生開始
    • 「バッファリング」で先読みしながら再生
  4. リアルタイム性
    • ライブ配信では撮影と同時にパケット化
    • ほぼリアルタイムで視聴者に届く

回線交換だったら:

  • 動画全体のダウンロード完了まで再生不可
  • 一人が見ている間、他の人は待機
  • ライブ配信は実質不可能

パケット交換だから実現:

  • 再生しながらダウンロード(ストリーミング)
  • 複数の人が同時に異なる動画を視聴
  • ライブ配信のリアルタイム性

キーワード

  • 回線交換方式
  • パケット交換方式
  • LAN(Local Area Network)
  • WAN(Wide Area Network)
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  • サーバ
  • クライアント

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